とぽろじい ~大人の数学自由研究~

高校数学から分かる新しい数学、大学で学ぶ数学を少しずつまとめていくブログです。ゆくゆくは本にまとめたいと思っています。

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【問題】怪しげな漸化式で定まる数列の意外な正体【ハイスピード数学プロブレム097】

「秒で解ける数学の問題」がテーマのハイスピード数学プロブレム。

今回は怪しげな漸化式で定まる数列の意外な正体を突き止める問題です。

解法自体は"原始的"ですが背後に何かが隠れています。

問題

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解答

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解説とこぼれ話

以外にも問題で与えられた数列は等比数列でした。

"原始的"に第2項,第3項と順番に求めていくことで簡単に推測できました。

なお、b_{n}=2^{n-1}a_{n} と置き換えると  \displaystyle b_{n+1}=\frac{2b_{n}}{1-b_{n}^{2}} を得ます。

このことと \displaystyle b_{1}=\tan{\frac{\pi}{3}} から、\displaystyle b_{n}=\tan{\frac{ 2^{n-1} \pi}{3}} つまり \displaystyle a_{n}=\frac{1}{2^{n-1}}\tan{\frac{ 2^{n-1} \pi}{3}} と書くことができます。

たとえば \displaystyle a_{1}=2-\sqrt{3}=\tan{\frac{\pi}{12}} の場合は \displaystyle a_{n}=\frac{1}{2^{n-1}}\tan{\frac{ 2^{n-1} \pi}{12}} となります。

今回の漸化式には背後に三角関数が隠れていたわけです。

ハイスピード数学プロブレム(ハイ数)とは?

解法次第で「ハイスピードに解ける」数学の問題とその解説を随時ゆるーく紹介します。

一風変わった問題で頭の体操にいかがでしょうか。

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それでは最後までお読みいただきありがとうございました。